当オルガン工房は、1988年、ハインツ・イェーガー(左)とヴォルフガング・ブロンマー(右)、2人のオルガン職人によって、南西ドイツ・シュヴァルツヴァルト(黒い森)のふもと、緑豊かな小都市ヴァルトキルヒに設立されました。
質の高いパイプオルガンづくりを目指し共同作業を始めた2人の職人ですが、その最初の作品が、専門家から高い評価を受け、その後、次から次へと注文が来る ようになりました。受注数の増加とともに工房も拡張し、現在は約20人の職人を抱える工房に成長しています。ここ数年は、遠く日本や中国、韓国、台湾、さ らにはアメリカ合衆国からもオルガン製作の依頼が来ています。精巧で丁寧な手作業による高品質のオルガンは、世界中のお客さま並びにオルガン奏者を満足さ せています。
また当工房は、古いパイプオルガンの修復も手がけており、歴史的に価値のある貴重なオルガンを、再生させています。数々の修復作業により培ったノウハウが新しいオルガン製作にも生きています。
パ イプオルガンに使われるオーク材やトネリコ材は、森林資源が豊なシュヴァルツヴァルト(黒い森)と隣の国フランスのアルザス・ロートリンゲン地方から高品 質のものを仕入れ、その特性を十分に生かす形で、熟練した職人が丁寧に加工・組立てしていきます。当工房は全て受注生産ですが、オルガンが設置される場所 の湿度や室温、音響設備を前もって十分に調査し、個別の環境にマッチした設計を行っています。また設置の際には、マイスターのイェーガー自ら調律を行いま す。これら材料調達から設計、加工・組立て、設置に至るまでの入念で一貫した作業により、上質な音を奏でる精巧なオルガンが生まれます。
また、当工房においては、持ち運びできる手回しオルガンの製作や修復も行っております。ヴァルトキルヒ市は以前、ヨーロッパのなかでは、この手回しオルガ ンのメッカとして知られていました。その伝統は200年前にさかのぼり、19世紀から20世紀初頭にかけて、ヴァルトキルヒ生まれの手回しオルガンが、パ リやロンドン、アムステルダムやローマなどの町の広場やダンスホールなどで演奏されていました。レコードとラジオの登場により、手回しオルガンは公共の場 から徐々に消えていきましたが、ここ数十年の間に再び注目されるようになり、愛好家によってその伝統的でノスタルジックな音が奏でられています。
我々の作品に関心をお持ちのかた、精巧な作業を生でご覧になりたいかた、ヴァルトキルヒ市にある当工房へお気軽にお越しください。